久保清隆のブログ

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花粉症対策 / 花粉症の基礎知識、予防、治療法のまとめ

2011年の花粉飛散量は、関東・北の地方・西日本で昨年の2倍〜6倍、東海や近畿地方の一部では花粉量が少なかった昨年に比べると10倍以上になると予測されている。
スギ花粉の飛散量は前年6月〜8月の日照時間や気温・降水量などが影響する。今年は記録的な猛暑だったため、その影響で2011年の花粉量は多いと推測されている。
環境省によれば一部地域以外は全国的に花粉症が重症化するレベルであり、注意が必要。
環境省_平成23年春の花粉総飛散量及び飛散開始時期の予測(第1報)について(お知らせ)


花粉は2月上旬ごろから増加するので、早めに対策を立てた方がよさそう。
以下のステップにわけて、花粉症に関する情報を整理した。

  • まずは花粉症のメカニズムを理解
  • 花粉症を予防する方法を駆使して花粉症を発症しにくくする
  • 花粉症が発症した場合、症状を軽減する
  • 花粉症が発症した場合、効果的に治療する

花粉症に関する基礎知識

  • 花粉症の正体
    • 花粉症の正体は、花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応。
    • 体の免疫反応が、花粉に過剰に反応して花粉症の症状がでる。
  • 花粉が鼻や目に入ると、花粉症の症状がでる理由
    • 体が花粉を外に出そうとするために、「くしゃみ」で吹き飛ばしたり、「鼻水」「涙」で花粉を洗い流そうとしている。
  • どんな花粉がいつ飛んでいるのか
    • 地域によって飛散する花粉や時期が異なる。
    • 関東地方では、2月から4月はスギ花粉、4月から5月はヒノキ花粉、6月から8月はカモガヤなどのイネ科花粉、8月から10月はブタクサやヨモギなどの雑草類の花粉が主として飛散する。
    • 北海道と本州の一部では、4月から6月にかけて口腔アレルギー症候群と関連の深いシラカバが飛散。
    • 詳しくは、花粉症の正しい知識と治療・セルフケア
  • 今は花粉症ではない場合、今後花粉症を発症しにくくするにはどうすればいいのか
    • 花粉になるべく接しないようにする。
      • 大量の花粉に触れると、体が花粉に対する抗体を産生する可能性が高くなる。スギに対する抗体をたくさん産生すると、何らかのきっかけでスギ花粉症を発症しやすくなる。
      • これまで軽症で花粉症であることに気がつかなかった人も、花粉を鼻からたくさん吸い込んだり、目に入ったりすると、花粉症の症状が強くなる。
  • 花粉の季節でなくても花粉症の症状がでることはあるのか。
    • スギ・ヒノキ花粉症では2月から5月以外に10月から11月にごく少量の飛散があって軽い症状が出ることがある。
    • イネ科の花粉症は6月から8月、ブタクサの花粉症では8月から10月に症状が出る。
    • その他の季節で鼻の症状が出るときには花粉症以外の鼻炎も考えられる。

花粉症の予防法

花粉を予防するためには、

  • 花粉に触れる量を減らすこと
  • 体質改善を行うこと

の2つがある。

外出時の花粉の暴露量を減らす

既に花粉症の人も、まだ花粉症じゃない人も、花粉に接する量を減らすことが大切。

  • マスクをする
    • マスクは、花粉の飛散の多いときには吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を少なくさせる効果が期待される。
    • 花粉症でない人も、花粉を吸い込む量を少なくすることで、新たに花粉症になる可能性を低くする。
    • 風が強いと鼻の中に入る花粉はマスクをしていても増え、効果は減弱するといった報告もある。マスクをしていても完全防備にはならず、過大な信用は禁物。

    • 花粉を99%カット。アレルギー マスクの決定版。
  • 鼻の穴にクリームを塗る
    • 花粉が粘膜にくっつく前に、クリームがブロックする効果はあると考えられる。どのくらい効果があるかは不明。
    • 鼻の穴に塗るクリームには薬効成分は入っていないので、花粉症自体を治す効果はない。

花粉鼻でブロック 5g

花粉鼻でブロック 5g

    • こちらは、既に症状が重い人には効かないみたいだが、予防的に使うとよいらしい。マスクが煩わしい人にはおすすめ。
  • メガネをする
    • メガネは花粉の飛散の多いときには、目に入る花粉を2分の1から3分の1まで減らすことがでる。
    • 眼の症状をどの程度弱くすることができるのかは明らかではない。

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    • 目からの花粉の侵入を予防する。花粉と紫外線をプロテクトするメガネ。花粉や紫外線の目への侵入を最小限に抑える。裸眼時に比べると花粉の侵入を98%以上ブロック。
  • 帽子をかぶる
    • 花粉が人間に付着しやすいのは表面に出ている頭と顔。
    • 頭の花粉は、帽子などで避けることが可能。
室内に花粉を入れない

せっかく外で花粉を防いでも、室内に花粉の侵入があると、花粉にさらされてしまう。できるだけ室内に花粉を入れないようにする必要がある。職場などでも組織的に取り組んだ方がよいかもしれない。

  • 室内に入る前に花粉を払う
    • 髪の毛、服、マスクに花粉が付着しているので、それをできるだけ払ってから室内に入る。
  • うがいをする
    • うがいは、のどに流れた花粉を除去するのに効果がある。
    • 外出から帰ってきたら、かぜの予防にもなるので、うがいはおすすめ。

ハナノア 鼻うがい 本体 300ml

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    • 鼻うがいというのもある。すっきりできる。
  • 洗顔をする
    • 花粉が人間に付着しやすいのは、表面に出ている頭と顔。
    • 外出から帰ってきたら洗顔して花粉を落とすと良い。
  • 衣服は花粉が付着しにくいものを選ぶ
    • 花粉飛散している時の外出時には、花粉がつきにくい服を着る。
    • 毛織物による上着やコートは、花粉が付着しやすいので避けたほうが良い。
    • 表面がすべすべした綿かポリエステルなどの化学繊維のものには花粉が付着しにくく、付着した花粉を吸い込む量を減らす。
  • 衣類の静電気防止スプレーの効果
    • 毛皮のコートなどにスプレーをすることは効果が期待される。
    • 毛織物以外の衣類には、もともとほとんど花粉がつかない。
  • 花粉の大量飛散日には窓を開けず、洗濯物や布団を干さない
  • 洗濯物はよくはたく
  • 空気清浄機を使う
    • 室内の空気から花粉を取り除く。

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    • 花粉、ダニ、カビなどのアレル物質を帯電させ、静電集塵フィルターでキャッチ。値段も元値よりだいぶ下がっていてお買い得感がある。
体質を改善する
  • 睡眠をよくとり、生活習慣を保つ
    • 正常な免疫機能を保つために重要。
    • 風邪をひかないこと、お酒を飲みすぎないこと、タバコを控えることも鼻の粘膜を正常に保つために重要。
  • お茶を飲む
    • 甜茶ポリフェノールはアレルギーで生じるヒスタミンの作用を和らげる効果があると言われる。ただし、実際の患者での効果は不明。

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    • 鼻づまりに効く甘いお茶。
  • ヨーグルトを食べる
    • 腸内細菌を変化させると、体内の環境がアレルギーを抑えるようになると考えられている。
    • ヨーグルトを毎日食べるブルガリア人でもアレルギーの病気はあるので、花粉症を完全に治すことは難しい。どのくらい効果があるのかは不明。

 

花粉症の症状が出たらすること

  • 病院に行く
    • ひどい鼻の症状がある場合は耳鼻咽喉科
    • 目の症状がひどい場合は眼科
    • 内科、小児科、アレルギー科などでも診療が受けられる。
  • 花粉症かどうか診断をする
    • 花粉症の診断の多くは、花粉飛散時の症状の有無と血液中にある花粉に対する抗体の存在で診断される。
    • 耳鼻咽喉科では鼻の粘膜を直接みて、アレルギーの反応を観察する。
  • 早く治療する
    • 早く治療すると、花粉症の重症化を防ぐことができる。
    • 花粉症の症状が起こり始めたごく初期では、鼻粘膜にまだ炎症が進んでおらず、この時期に治療を開始すると粘膜の炎症の進行を止め、早く正常化させることができるため。

花粉症の治療

  • 花粉症の治療法の種類
    • 花粉症の治療には、薬物療法、手術治療、減感作療法がある。
    • 治療を行うことと平行して、自らが花粉の暴露から身を守る必要がある。
  • 花粉症の治療にかかる費用
    • 3割負担の人の場合は、初診で検査を行うには6000円かかる(ただし、特定機能病院の場合は、さらに加算がある)。
    • 次の診療からは、毎回再診料などがあり、薬剤(経口薬、点鼻薬、点眼薬など)2ヶ月分を含め、1シーズン6000円程度になる。
    • つまり、重症度により異なるが、初めての年ではトータルで12000円から17000円程度、次の年からは(再診扱いで追加検査を行わない場合)7000円から12000円程度の負担になる。
  • 花粉症の薬
    • 花粉症の薬 〜処方薬と市販薬を参照。病院で出される処方薬と薬局で購入できる市販薬との違い、症状に応じた効果的な選び方などが説明されている。
  • 花粉症の薬の副作用を防ぐ方法
    • 自分の症状、生活様式、職業などを医師に話し、なるべく副作用の少ない薬を選択してもらうようにする。
  • 花粉症は完治できるのか
    • 現在、完治の可能な治療法は減感作療法(正式には抗原特異的免疫療法)だけ。しかし、現在の治療法では、完治する率は決して高くないし、副作用の問題や治療に長い期間がかかるため、現在も新しい減感作療法の研究が進められている。
  • 新しい花粉症の薬は研究されているのか
    • 細胞の中の情報伝達などをコントロールする薬剤などの研究や、アレルギーの原因となる蛋白に対する抗体等が花粉症治療に応用できるか、といった新しい治療法の研究が進められている。
  • 舌下免疫療法というのはどんな治療法か
    • 通常の医療で行われていた免疫療法、いわゆる減感作療法は、皮膚への注射により原因の抗原エキスを体内へ入れる。舌下免疫療法は口の中で舌の下、舌下に抗原エキスを入れて、花粉症の症状を根本から少なくさせようとする根本的治療法。
    • 現在、厚生労働省の研究班で医師主導の臨床試験が行われている。

花粉症に関する豆知識

  • スギ花粉症は日本にしかないのか。
    • スギは日本特有の木。スギは中国の一部にもあるが、その数は日本と比べると少なく、スギ花粉症が問題となっているのは、ほとんど日本だけ。
  • 花粉飛散量は年々増えているのか。
    • スギ花粉の飛散量は年によって大きく変動するが、近年、戦後に植えられたスギの木が大きく成長し、潜在的な花粉生産能力が高い状態になっている。また、温暖化の影響で花粉は多く産生されるようになっているとも言われている。

スギ花粉飛散を減少させる方策として、花粉の多い木の抜き伐りや花粉の少ないスギへの品種改良の取り組みが行われている。

  • 花粉症の患者はどのくらいいるのか
    • 日本において花粉症を有する人の数は、正確なところ分かっていないが、全国的な調査としては、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした2008年(1月〜4月)の鼻アレルギー全国疫学調査(馬場廣太郎、中江公裕:鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)−耳鼻咽喉科医とその家族を対象として−Progress in Medicine 28(8):145-156.2008)において、花粉症を有する者が29.8%であったとの報告がある。
  • 花粉症になりやすい人はいるのか
    • 花粉症以外のアレルギー疾患をもっている方や、家族が何らかのアレルギー疾患を持っている人は、それのない人に比べて、花粉症になりやすいと考えられている。
  • 花粉症の人がかかりやすい病気はあるか
    • 花粉症はアレルギーの病気なので、同じアレルギーである喘息や通年性のアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などになりやすいと考えられている。
  • 花粉症と間違えやすい疾患は何か
    • 花粉症は季節的にも風邪の流行する時期に重なる。このため、発症の初期ではくしゃみ、鼻水が症状として同じことがある。また急に悪化した他の鼻疾患たとえば慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などとの鑑別が必要になる。
  • 花粉症があると口の中が痒くなることがあるのか
    • ある。口腔アレルギー症候群、別名、果実野菜過敏症とも言われている。ある種の果物や野菜を食べると口の中が痒くなる。多くはシラカバ花粉症の方に頻度が多いが、他のイネ科花粉症やスギ花粉症でも報告されている。最も多い果物はリンゴとサクランボ。