ロジカルシンキングで、MECEに分けるとき、MECEの切り口に関してたくさん引き出しを持っていると便利。
素早くうまく切り口を見つけ、もれなくダブリがないよう、また論理の飛躍がないように、論理的に物事を分析し、判断できるようになれば、通常よりも非常に短時間で、成果を出すことができる。
もちろん知っているだけではダメで、MECEにわける目的を確認して適切な切り口を選んだり、それぞれの切り口の特徴を押さえてうまく使いこなすことが必要。
そこで、MECEの切り口とMECEを使いこなすトレーニング方法をまとめた。
※MECEとは MECEとは、「モレがなく、ダブりがない」という意味。 Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive (相互に排他的で、集めると網羅的) の頭文字をとったもの。 成人女性をOLと主婦に分けた場合、学生、フリーター等は含まれないので、モレがある。 成人女性を主婦、OL、学生に分けた場合、主婦かつ学生等のダブりが含まれる。 成人女性を20代、30代、40代、50代、60代以上のように分けると、もれなくダブリがない。
目次
MECEの4つの切り口
MECEの切り口として、大きく4つあると言われている。- 要素分解(足し算)型
- 時系列・ステップ型
- 対照概念型
- 因数分解(掛け算)型
要素分解(足し算)型
- 3C/4C
- Company(自社)、Competitor(競合)、Consumer・Customer(市場・顧客)、Channel(チャネル)
- 事業の状況を分析するときなどによく使う
- 4P
- Place(場所)、Price(価格)、Product(商品)、Promotion(販売促進)
- マーケティングでよく使う
- 組織の7S
- ハード3S:戦略(Strategy)、組織構造(Structure)、組織運営(Systems)
- ソフト4S:企業文化(Style)、価値観(Shared value)、人材(Staff)、スキル(Skill)
- 組織が成り立つために必要な事柄をできるだけ網羅するために使う
- PEST
- Political(政治・法律)、Economic(経済)、Social(社会)、Technological(科学技術)
- 取り巻く環境を調べるとき便利
- ポーターの5つの力(5 Forces)
- 新規参入の脅威、代替財の脅威、買い手の力(購入者の選択肢が広いと、価格や品質に対する要求アップ)、売り手(供給業者のブランド力が強いと脅威となる)、競合の脅威
- これからの力が強ければ企業がその産業分野において利益を上げることは困難であり「脅威」(threat)となる。一方、その力が弱ければ「機会」(opportunity)となる。
- 新製品の開発や、既存製品の安定性を考える上でとても重要
- SWOT
- Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)
- 自社の現状を把握する際によく用いる。意思決定の際に参考にする。
- 5W2H
- what、where、when、who、why、how、how much
- ヒト、モノ、カネ、情報、時間
- 経営資源を整理するときによく用いる
- 心、技、体
- 年齢
- 性別
- 男、女(両性具有という例外あり)
- 地域
- 国内・海外、北半球・南半球など
- QCD
- Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)
- プロジェクト管理のフレームワーク。
- Qが最初にあるのは、品質が一番大事だから。
- 検証方法
- 試験、解析、検査、デモンストレーション
- 重要度、緊急度、難易度
- 優先順位を決めるときによく使われる
- ERRC
- Eliminate(取り除く)、Reduce(減らす)、Raise(増やす)、Create(付け加える)
- 取り除き、減らすことによって無駄な労力を抑え、その分、もっと価値ある部分を増やしたり、新しい価値を付け加えたりしようというもの。
- ブルーオーシャン戦略でしばしば用いられる。選択と集中を考えるときに使い勝手がいい。
時系列・ステップ型
- バリューチェーン
- 製品開発、調達、生産、販売、物流、サービス
- 企業の競争優位の源泉を明らかにするための、企業の内部環境を分析するフレームワーク
- それぞれの業務が、一連の流れの中で順次、価値とコストを付加・蓄積していくものととらえ、この連鎖的活動によって顧客に向けた最終的な“価値”が生み出されるという考え方
- ライフサイクル
- 企画、設計、製造、運用、廃棄
- 製品ライフサイクルのフレームワーク
- 製品が販売開始されてから販売終了にいたるまで導入期、成長期、成熟期、衰退期の段階を経ると考えられている
- イノベーター理論と関連が深い
- 導入期:イノベーター+アーリーアダプター、成長期:アーリーアダプター+アーリーマジョリティ、成熟期:レイトマジョリティ、衰退期:レイトマジョリティ+ラガード
- 製品がどの段階にあるかによって、戦略を変える
- AIDMA
- Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)
- 広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語。
- AISAS
- Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)
- ネットでの購買行動のプロセスモデル。
- 購買へのステップ
- 認知→理解→動機づけ→購買
- 空、雨、傘
- 情報を事実→解釈→行動に分解して、思考を深める
- 過去、現在、未来
- 短期、中期、長期
- 期間
- PDCA
- Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(改善)
対照概念型
- 効率/効果
- 質/量
- 事実/判断
- 自分/他人
- 個人/法人
- 固定/変動
- 都市/地方
- 長所/短所
- 主観/客観
- will/skill
- 時間/空間
- 赤字/黒字
- ハード/ソフト
- 可能/不可能
- マクロ/ミクロ
- 理想/現実
- 公的/私的
- 集中/分散
- 外面/内面
- 能動/受動
- 動的/静的
- 縦/横
- 足し算/引き算
- 直列/並列
- 満足/不満
- 名目/実績
- 明示/暗示
- 目的/手段
- 有形/無形
- 有限/無限
- 理性/感情
- 理論/実践
- 臨時/定期
- 流動/固定
- 楽観/悲観
- 良い/悪い
因数分解(掛け算)型
- 利益=(顧客単価 - 顧客獲得コスト - 顧客原価)×顧客数
- 売上=顧客単価×顧客数×購入頻度
- 売上=従業員1人あたりの売上×従業員数
- CPC(Cost Per Click)=コスト / クリック数
- ネット広告用語。1クリックにかかるコスト
- CTR(Click Through Rate)=クリック数/露出回数
- 広告が表示された回数のうち、クリックされた回数の割合。
- CVR(Conversion Rate)=アクション数 / クリック数
- 広告のクリック総数のうち、実際に販売(コンバージョン)につながった回数の割合
- CPA=コスト / コンバージョン
- コンバージョンにかかるコスト
他にもたくさんあると思うけど、思いついたものを挙げた。「これはいいよ」という切り口があったら教えてください。
MECEを使いこなすトレーニング方法
MECEを使いこなすには、自分の頭で考えてアウトプットすることが大切。MECEを使う練習問題と解答例が載っているサイトや本を見てトレーニングするのがよい。
フェルミ推定はMECEにわける訓練になっていい。知っているMECEの切り口を使いこなしたり、自分で切り口を考え出したりする力を養える。
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- フェルミ推定 - Wikipedia
- 原寸大の東京タワー模型は、マッチ棒何本で作れる? マーケターのためのフェルミ推定問題集(1) (1/3):MarkeZine(マーケジン)
- 海外の「フェルミ推定」問題をまとめてみた(ケース対策) - ミームの死骸を待ちながら
- 英語だけど、フェルミ推定の問題が掲載されているサイトがまとめられている
MECEをうまく使いこなせない場合
「切り口をたくさん知ってるけどうまく使いこなせないなぁ」と思ったら以下のことが原因かもしれない。- フレームワークを使う意義やメリットが正しく理解できていない
- TPOに合わせて、どんなフレームワークを選択すればよいのか分からない
- 解決すべき課題の全体像が分かっていない
最強フレームワーカーへの道:なぜ、フレームワークが使えないのか? - ITmedia エンタープライズ参照。
参考書籍
ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)
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ロジカルシンキングを鍛える方法は、以下を参照。