Web上でビジネスを展開する上で、Webサイトの構築が必要になってくる。が、有用なWebサイトを構築するにはどうしたらいいのか、というノウハウを知って頭に入れておいた方がいいと思ったので、その方法、Webサイト構築全体の流れをまとめてみた。
全体の流れを知っておけば、新たにWebサイトを構築したいと思ったとき、よい段取りでスムーズに構築できると思うし、ミスも少なくなると思う。
Webサイト構築の流れ
- Webサイト構築の目的の明確化
- Webサイトのコンセプト策定
- ターゲット選定
- コンテンツ企画
- 制作
- サーバ準備
- SEO / SEM 対策
- 各過程を見直し/改善
Webサイト構築の目的の明確化
まずは、Webサイトを構築する目的をはっきりさせて明文化しておく必要がある。
なぜなら目的を明確にしておかないと、サイトが出来上がったときに、結局何がしたかったのかがわからないサイトができてしまい、目的を達成できなくなってしまう可能性が高くなるからだ。
Webサイト構築の目的は様々あると思うが、
例えば、HondaのWebサイトには以下の4つの目的がある。
(参考:名物ウェブマスターが語るHondaウェブサイトの4つの目的と運営術とは? | かわちれい子のウェブマスターのお仕事 | Web担当者Forum)
1.集客:サイト利用者を増やす。サイト訪問者数を10万人以上にする。
2.販促:サイトがお客様に貢献。購入者の50%がWebサイト閲覧者にする。
3.コミュニティ:長期的なコミュニケーションをとっていけるようにする。メルマガ購読数100万人。
4.ブランディング:良いWebサイトと言われたい。良いサイトトップ10に入る。
プロジェクト・オーナーとプロジェクト・リーダーの間で、いかにして最初に目的の定義について合意できるか、それがプロジェクト成功の1つのポイントであるのは、まず間違いない。
Webサイトのコンセプト策定
コンセプトとは、「全体を貫く基本的な考え方」である。
目的を達成するためにどのようなアプローチ(戦略)をとるかと言ってもいいかもしれない。
例えば、ユニクロがyou tubeを利用して展開した「web mix play」のコンセプトは、
「音楽とダンス」。(参考:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/06/news053.html)
音楽とダンスは、誰が見ても同じように見えるものだからコンセプトに選んだ、らしい。
上の記事を読むとわかるが、コンセプト策定の前提として目的がある。
ユニクロは、マンネリ化した現状を打破したい、国内だけでなく、海外でも自社ブランドを築きたい、と考えたときに、このコンセプトが生まれている。
ターゲットの選定
ターゲットの選定のタイミングは場合によって異なるかもしれない。
コンセプトを決める前に、ターゲットが明確になっている必要があったり、コンセプトを決めた後で良かったりする。
が、いずれにしても、目的達成を念頭にいれた上で、コンテンツを企画する前にはターゲットを選定しておく必要があると思う。
Hondaの例で言うと、ターゲットはHondaユーザー、Hondaに入社したい学生や株主、アナリスト、従業員、従業員の家族、と幅広い。
ユニクロの例では、既存顧客が30〜40代中心だったので、また、日本は中長期的にみると人口が減少していくので、新しい顧客を獲得するために国内だけでなく世界中の20代前半から中盤の女性客をターゲットにしている。
コンテンツ企画
コンテンツは、コンセプトとターゲットを意識して企画していく。
- ターゲットニーズを考え、それに見合うコンテンツを作成
ターゲットのニーズに合わないものを作っても誰も見向きもしてくれない。
- サイトマップを作成
全体の構成を考えるため、スタッフと考えを共有しやすくするため、コンテンツが足りない部分を認識しやすくするために、サイトマップを作成する。
- ユーザの立場に立ってコンテンツを見直す
ターゲットとしているユーザはそのコンテンツをみて何を感じ、その後どのようにアクションするか、仮説を立てて検証し、よりよいものにブラッシュアップする。
- 似たコンセプトのサイトを探し、そこのコンテンツを研究する。
自社のサイトを客観的に見るための助けとするために、また新しいコンテンツのアイデアを得るために、他社のサイトを見る。それにより、サイトを客観的に見る目が養われる。
- 自社サイトの強みと弱みを知る
強みと弱みを分析して、強みを伸ばすか、弱みを補っていくかを決める。
- ページのレイアウトを考える。
企画が固まったらページレイアウトを考え、ユーザビリティの高いデザインにする。
また、この段階でサイトマップに改善を加えたりする。
※必ず入れなければならないコンテンツもある。
- 会社概要
- 個人情報保護方針
- 特定商取引に関する法律に基づく表示(ECサイトを運営する場合)
- 支払方法や送料について(ECサイトを運営する場合)
制作
実際の制作に入る。
まず、外注にするか、社内でやるかを決める。
以下に記す必要な人員を社内で確保できそうにない場合は、外注する。
外注する場合は、候補の制作会社に見積もりをとり、過去の実績などと照らし合わせ、比較して決定する。
また、コンセプト作成から制作まで要する期間は一般的に、4〜5か月くらいかかる。
- 制作に必要な人員
- プロデューサ:Webサイト制作のリーダー。プランニング、進捗管理などをする。
- エディター:サイト内の原稿の管理をする。
- SE:システム全体を構築したりする。
- プログラマ:プログラミング言語を用いて様々なプログラムをサイトに組み込む。
- デザイナー:全体のデザインを考え、つくる。
サーバ準備
制作中にWebサーバを選ぶ必要がある。
制作したコンテンツは、公開の場であるWebサーバへアップして初めてWebサイトとなる。
また同時に、そのサイトのドメイン名(http://ドメイン名/)も必要になるので取得しなければならない。ドメイン名は、このブログでいえば、d.hatena.ne.jpの部分。
- サーバについて
サーバは大きくわけて3つに分類できる。
小規模な事業者はレンタルサーバがお勧め。
1.ISP(Internet Service Provider)のホームページサービスの利用
ドメイン名は、www.プロバイダのサーバ名.jpになる。
メリット:低価格
デメリット:独自ドメインが使えないので、信頼性に欠けると判断される。
容量が小さい。
使用できるプログラムに制限がある。
2.レンタルサーバ
レンタルサーバがサーバの整理と管理をしてくれる。
独自ドメインが利用可能、コストパフォーマンスがよい。
以下の2種類がある。
・ホスティングサービス:一台のサーバ内のハードディスクを複数の会社で分け合う。
・ハウジングサービス:一台のサーバを一社で使える。
3.自社サーバ
自社にサーバを設置する。
メリット:自由度が高く、臨機応変に対応できる。
デメリット:サーバの保守管理を自前で行うのは大変。
技術的なスキル、サーバの購入費用、人件費などコストがかさむ。
- ドメイン名について
ドメイン名は早いもの勝ち。従って使えるかどうか事前にチェックが必要。
ドメインの取得方法は以下の4つがある。
1.JPRSからの登録(http://jprs.jp/)
2.ドメイン登録サービス
3.インターネット接続サービス(ADSLやFTTHの接続申込と同時に登録)
4.レンタルサーバサービス(レンタルサーバ契約と同時に登録)
ここのjpというのは、JPドメインと言われ、日本国内居住者のみが取得できる。
日本で事業をやるならこれを取得するのが一般的だが、海外のドメインも国によっては取得可能である。
次にxxの部分であるが、これはcoだったりacだったりするが、coは企業、acは教育機関を表す。
また汎用JPというドメインもあり、これはxxの部分がない。希望名.jpとなる。
日本レジストリサービス(JPRS)というドメイン管理会社による審査、取得条件をクリアしたのちに登録できるドメインなので、信頼度が非常に高い。
SEO / SEM 対策
アクセス数を上げるために、SEO、SEM対策をする。
SEOに関しては機会があれば別に書く。
ここでは手軽なものをリストアップしてみる。
アクセスアップ対策として無料でできるのは、以下のようなものがある。
- ロボット型検索エンジンの登録
・googleのインデックスに登録。ロボットが巡回してくるようにする。(Google Search Console)
・Yahoo!のディレクトリ登録(商用だと有料)。(Yahoo!カテゴリ掲載ガイド - Yahoo!カテゴリ)
・dmozに登録(http://www.dmoz.org/World/Japanese/)
この3つは、効果が高いのでやっておいた方が良い。
- SEO
Search Engine Optimizationの略。検索エンジン最適化。どういうことかというと、googleなどのサイトで検索された結果が上の方に来るようにすることで、検索によるアクセスを向上させること。
- ブログ
サイトのトップページにブログをリンクさせ、サイトと併用する。
ブログは更新が簡単なので、サイトの更新の代用として使える。
- メルマガ発行
お勧め商品、キャンペーン情報などを紹介する。
各過程を見直し
一通り作り終えてリリースしたら、その後、ウェブ解析などを行って、結果を分析し、目的はこれでよいのか、達成されそうか、コンセプトはこれでよいのか、ターゲットはこれでよいのか、ターゲットにささっているか、コンテンツはこれでよいのか、アクセスされているかなどを考えなおし、改善していく。
解析には以下のようなツールがある。いずれも無料。
これらを利用して、
・一日の総アクセス数
・一日のページビュー
・一人あたりのページビュー
・一人あたりの平均滞在時間
・どこからアクセスがあったか
・検索から来た場合、どのようなキーワードで検索されたか
・ページを見た後、どこに移動したか
また、実際にアンケートをとって要望や不満を集めるのも一つの手段。
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