Web2.0とは
ティム・オライリーが提唱。
様々な情報を読み、書き、検索し、共有するといったインターネットにおける機能や、そのた様々なシステムが急速に進歩し、トレンドが大きく変わっていることをまとめて「Web 2.0」と表現した。
(What Is Web 2.0 - O'Reilly Media)
それ以前をWeb1.0と呼んでいるが、Web1.0とWeb2.0の違いを端的に表す言葉が、
「技術進歩」と「ユーザー参加」
だ。技術が進歩して、ユーザーが簡単にWeb上に参加することができるようになった。
そしてユーザーが参加できるようになることで、「知の集合体」を作り出すことが出来るようになった。
代表的なサービスの例が、ブログやWikipediaである。
Web2.0的なサービス
ブログ
ブログのWeb2.0的な機能
- 簡単に記事を書ける
Web2.0以前では記事を書いてからWeb上にアップするのに手間がかかったが、ブログは書いてボタンを押すだけでWeb上にアップできる。
- コメントがかける
Web2.0以前ではコメント機能がなかったが、この機能ができたことにより、ある記事についての追加の情報を閲覧したユーザーが書き込めるようになった。
これは、「知の集合体」の形成へとつながる。
- トラックバック出来る
トラックバックとは、他の人が投稿した記事に自分のブログへのリンクを作成できる機能。
どういうときに使うかと言うと、他の人が書いた記事の内容を引用、参照したり、関連性のある話題に対して記事を書いた時に行うのが一般的。
これによって、関連情報同士がネットワークでつながり、「知の集合体」の形成へとつながっていく。
- パーマリンク
パーマリンクとは、新しい記事をWebページの上部に表示していくという原則に従って記事を時系列に表示する機能。また、記事ごとにURLを割り当てる。
従って、異なる記事が同じページ内に表示されていても、各記事ごとにURLが存在し、その記事のURLは変わらない。
例えば、このブログでは同じページ内に3つの記事を表示しているが、各記事のタイトルをクリックすると、そのURLはその記事固有のURLで表示される。
パーマリンクによって、記事のデータベース化や構造化が実現され、各記事ごとにトラックバックをすることができるようになった。
ソーシャルブックマーク
自分のブックマークをネット上に公開し、不特定多数の人間と共有する事で、これらを有益な情報源とすることができる。また、インターネットさえつながっていれば、自分のブックマークをどのパソコンからでも見ることができる。
他にも、同一アドレスを登録している他人のブックマークを観たり、またタグと呼ばれる登録者が付ける分類用の語句により同一タグで分類している他人のブックマークを観たりすることで同じ指向のサイトが見付けやすくなる。
はてなブックマーク、livedoorクリップ、Buzzurl(バザール)などがある。
はてなブックマークでは、記事ごとにブックマークされた件数が集計されて、「人気エントリー」や「注目エントリー」が生成される。よい記事はたくさんブックマークされると考えられるので、人気エントリーや注目エントリーに上がってくる記事は情報の質が高い可能性が高く、これにより情報収集が効率化できる。
API(Application Program Interface)
ある会社や人が提供しているサービスを、自分のWebサイトに組み込んでそのサービスを使えるプログラム。また、組み込むことを「マッシュアップ」という。
例えば、Google MapsのAPIは、Googleが開発したオンライン地図のデータを第三者のサイトで利用できるようにしたもの。
僕が開発している、http://www.rikutomo.jp/pc/では、Google Maps APIをマッシュアップしており、登録されている企業の所在地をGoogle Mapで表示できるようになっている。
APIを提供される側のメリットは明白だが、APIを提供する側のメリットは何かと言うと、
例えばGoogleでは、Google Maps APIを利用してもらうことでGoogle Mapの閲覧者が増加し、利用者が多ければ多いほど、Google Mapに店舗などの情報を掲載するという広告ビジネスが成り立ち、広告収入を得ることができる。
ちなみにWebサービスで、「Beta」とか「β版」とか書かれているものをよく見かけるが、これは、まだバージョンアップを繰り返して改良され続けていることを意味する。
現在世の中にはたくさんのAPIが存在するが、
using API; | using API;はAPIとマッシュアップに関連する情報を船木が集めたブログです。
で、どんなAPIがあるかを探すことができる。
Web2.0を支える技術
XML(eXtensible Markup Language)、HTML(HyperText Markup Language)、XHTML
Web2.0の中で最も重要な技術。現在のWebサービスの快適さの多くはXMLによるところが大きい。
XMLを直訳すると、「拡張可能な、テキストへのマークを付けるための、言葉」となる。
XMLは、SGML(Standard Generalized Markup Language)から派生したもの。
SGMLは、「データの交換や配布のパブリッシング用に書かれたプログラム言語」、平たく言うと「マニュアルなどの文書の電子化のための書式の規格」だったが、処理が遅く、プログラムの文法の定義や記述が複雑であるという欠点があった。
これを、改良したものがXML。
XMLはコンピュータが読みやすいもので、コンピュータ同士の会話がしやすくなった。
一方HTML(HyperText Markup Language)も、SGMLから派生したもので、HTMLは人が読みやすいように改良されたもの。
XMLとHTMLを組み合わせて、人にもコンピュータにも理解しやすい言語XHTMLが生まれた。
Webサービスを実現するには、XMLとXHTMLの他に、Webサーバ間でのデータのやり取りをする技術が必要だった。
そのために、SOAP(Simple Object Access Protocol)という通信プロトコル(通信規約)が生まれた。SOAPは、他のコンピュータにあるXMLのデータやサービスを呼び出すためのプロトコル。
これによって、Webサービスの実現が可能になった。
少し具体的に言うと、
Webサービスプロバイダ(Google Maps APIを提供しているGoogleなど)とWebサイトが、SOAP、XMLを利用してデータのやり取りを行い、Webサイトとユーザー(ブラウザ)はXHTMLを利用して通信を行うようになった。
XHTMLの登場により、HTMLの知識がなくても、Webページを手軽に作成、更新することができるようになり、トラックバックなどの機能も利用することができるようになった。
ブログはXHTMLの賜物である。
RSS
RSSリーダーという、情報収集に非常に便利なツールがある。
RSSリーダーとは、様々なブログなどで新しく更新された記事のみを拾ってきて、それらを閲覧することができるWebサービス。
- livedoor reader
- google reader
- はてなRSS
などがある。
私はlivedoor readerを使っている。ショートカットキーなどが便利でとても使いやすい。
このサービスの仕組みは以下のようになっている。
ブログは更新情報を発信できる「RSSフィード」という機能を持っている。
RSSフィードとは、Webサイトの情報の要約データ(メタデータ)を発信する規格。
つまり、Webサイトの情報の要約を配信する機能と言える。
RSSフィードは基本的にXMLで記述されている。
このRSSが少しややこしいのだが、RSS0.9とそのバージョンアップであるRSS1.0とさらにバージョンアップのRSS2.0がある。
このバージョンによってRSSの意味するものが違う。
- RSS0.9はrich site summary(要約)
- RSS1.0はRDF Site Summary(要約)
- RSS2.0はReally Simple Syndication(つながり)と言う意味。
現在日本で普及しているのはRSS1.0。
RSSフィードから発信されるメタデータは、一般的なブラウザでは閲覧できない。
そこで最初に紹介したRSSリーダーを利用する。
メタデータを利用するには、RSSリーダーが必要。
ブログだけでなく、音楽や番組でもRSSの技術を利用したものがある。
例えば、ポッドキャストはRSS2.0を利用したサービス。
Webサイトから配信されたポッドキャスト番組を、アグリゲータと呼ばれるiTunesなどの
ポッドキャスティング番組専用ダウンロードソフトで受信できる。
内容を見て購読意志があれば、ダウンロードして楽しめる。
インターネット上の情報を使って学習・勉強する方法について考えてみた - toguoのブログ
こちらの記事にRSS、はてなブックマーク、ブログの使い方の素晴らしいまとめがあったので、実際の利用法はこちらで。
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