久保清隆のブログ

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東大に合格する超効率的勉強法から学ぶ、7つの効率的な仕事術

偏差値29からの東大合格

偏差値29からの東大合格

先日、偏差値29からの東大合格を献本いただいた。
内容は、超効率的な受験勉強法。タイトル通り、偏差値29からどのように勉強して東大へ合格したのかについて、具体的な勉強法とエピソードが書かれている。
これは東大受験に限らず勉強全般に役立つ内容で、受験勉強本として面白いものだが、実は仕事にもかなり活かせるのではないかと思った。本書を読んで、自分が非効率な仕事の仕方になっていることに気づいて反省したり、こうすればもっと効率がよくなりそうだというアイディアが湧いたので、仕事に活かせる部分を中心に、自戒をこめてまとめた。

7つの効率的な仕事術

1. まずは、自分が何をどのレベルで求められているかを把握する

受験勉強では、まず過去問を見ることが合格に直結する効率の良い勉強につながる。というのも、過去問は「うちではこういう問題を解けるような学生をもとめているよ!」というメッセージだからだ。試験に全然でない分野を勉強していても合格にはつながらないし、どのレベルでできないといけないかを知らないと、一部だけたくさん勉強しすぎてしまい他の科目を勉強する時間がなくなってしまったり、どの分野も求めるレベルに達していなくて、試験直前になって試験問題が全然解けないことに気づく、といったことになってしまう。
一方、仕事では顧客(普通のお客様だけでなく、社内の人なども含む)に自分が何をどのレベルで求められているかを把握することが、成果に結びつく効率の良い仕事につながる。何を求められているかがわからないまま仕事をしていると、1つの仕事に時間をかけすぎてしまったり、顧客を満足させる成果を出せていなかったりして、顧客へ貢献できないという結果に陥りやすい。顧客へ貢献できないと、そのうち仕事を任せてもらえなくなる。
何をどのレベルで求められているかを把握し、それを達成するために何をすれば最も効率がよいのかを考え、計画的に仕事をする必要がある。
仕事の場合、求められていることを知るためには、「ヒアリング(聴く)」と「フィーリング(感じる)」の2つがあると思う。最初はヒアリングから入った方が無難だが、日々の仕事を通して、求められていることを把握する能力を磨いていき、最終的にはフィーリングできることを目指していきたい。

2. 失敗したことはメモして何度もチェックする

受験勉強では、よく間違えるところをノートに書いて、そこを重点的に復習すると効率よく学習できる。
これは、仕事でも同様。仕事をしていると誰しも失敗することがある。そして、同じ失敗を繰り返していると、周りからの信用を失ってしまう。一度した失敗は二度としないように仕組化する必要がある。その一つの方法として、失敗した内容をメモして、チェックリスト化することがあげられる。仕事をする際にそのチェックリストを確認すれば、同じ失敗はしなくなる。

3. 失敗は、大切な財産であると認識する

受験勉強では、間違いが多いということは、それだけのびしろがあり、間違えたところを覚えたり理解することで、成績は飛躍的に伸びる。従って、間違いは貴重な財産であると考えられる。
仕事においても同様に、失敗は財産になる。失敗を糧に成長することができる。仕事の場合は、さらに必要に応じて同じチーム、部署、社内全体などに失敗と改善策を共有することで、会社の財産とすることができる。個人の失敗と改善策を共有すれば、他の社員が同じ失敗を繰り返さなくてすむ。ただし、これを実践するには、社内に失敗の共有を評価する制度や雰囲気が必要かもしれない。

4. 優先順位・時間配分を決める

受験では、勉強の計画を立てるときもさることながら、試験中にどの問題から取り組むかを考えることも大切である。試験では取り組む順番と時間配分を決めることが高得点につながる。問題を解く際に、何も考えず順番に前から解いていてはいけない。分からない問題は切り捨てる勇気も必要である。
仕事でも、何も考えずに、自分にふってくる仕事に取り組んでいてはなかなか高い成果につながらない
まずは自分が持っているタスクをすべて把握し、自分が今日仕事に使える時間、各タスクの締め切り、難易度、重要度、影響度を考慮して、一日の計画を立てることで、成果を最大化できる。場合によってはタスクを切り捨てることも大切。仕事には締め切りがあるので、一つのことに時間をかけすぎて、他の仕事が締め切りに間に合わなくなり、締め切りを守れなかったり雑なアウトプットになってしまわないように注意する必要がある。

  • ※優先順位のつけ方については、下記の軸を参考にするとよいと思う。
    • 緊急度(締切など)
    • 重要度(命、ビジョン、ミッション、経済面、信用面、効果面など)
    • 影響度(将来、後行程、社会、会社、他人、家族、自分など)
    • 難易度(すぐできるか、時間がかかるか、実現可能か、失敗するリスクがあるか、コストがかかるかなど)
    • 環境(場所、使えるツールなど)
    • コンディション(気分、体調、モチベーションなど)
5. うっかりミスと実力不足は同じことだと認識する

受験では、うっかりミスをすると0点になることもあるし、さらにはその後に続く問題すべてを間違えるはめになる。
仕事でも、うっかりミスをすると、貢献度は0になり、さらに周りに多大な迷惑をかけてしまうことがある。そして、仕事ができないというレッテルをはられてしまう。
ミスをしたら、そのミスの原因についてメモしておく。すると、だんだん自分がミスする時の癖が見えてくるので、後で見直しして、意識して修正していくようにする。

6. ツールを使いこなす

受験勉強の時は、面倒な計算は時間がもったいないので、電卓を使って効率化を図ったりする。計算力を鍛える必要がある場合は別だが、その必要が特になく、解き方を学ぶことがメインな勉強の場合は、電卓を使ってしまった方がいい。
仕事でも、同じようにツールを使いこなすと大きく効率化できる。繰り返しの作業は極力コンピュータにやらせるようにする。手作業の面倒な作業を長時間やって沢山仕事をした気になってはいけない。
エクセルの機能やマクロを組んだりして、自動化できるところは自動化した方が効率が良い。テキストを扱う時も、高機能なエディタを使えば、かなり効率化できる。たとえば、サクラエディタを使うと、一括置換ができたり、マクロが組めたりと便利な機能が豊富にある。学習の初期投資は必要だが、後の効率化による効果を考えると、非常にコストパフォーマンスが高い学習になる。
この辺りの記事が参考になる。

7. 仕事した時間よりもどのくらい成果を出したかを重視する

受験勉強では、数学2時間、国語3時間みたいな計画を立てるよりも、数学の問題を10問やる、国語の読解問題を3題やる、という感じで、「ここまでやる」と計画を立てた方が集中力が高まり、学習効果も高まる。
仕事でも同様で、何時間仕事をする、と決めるとだらだら仕事をしてしまって、仕事の質が低くなりがち。
成果=質×時間』なので、働く時間ではなく、成果という視点で考え、質を高めることを意識し、工夫する必要がある。時間を長くすることは、多くの場合、質の低下をもたらす。働く時間が長くなり、睡眠時間が減ると、健康に悪いし(心臓病のリスクが高まる)、記憶の定着に悪いし(寝ているときに記憶が定着する)、集中力も低下する。
今日何時間働いた、というのは愚問で、今日どのくらいの成果を上げたか、を振り返るようにし、長時間労働にならないように日々改善をかける必要がある。

まとめ

今回まとめていて、仕事は貢献に焦点を当てる必要があると改めて思った。
効率化にこだわりすぎるとデメリットも発生するので、そこは注意した方がよい(参考:目に見える効率を追いすぎると、大切なものを見失う。:日経ビジネスオンライン)が、貢献に焦点を当てることで、その問題は解消されるのではないかと思う。

ドラッカーは、著書のドラッカー名著集2 現代の経営[上]の中で、

  1. 我々の事業とは何か?(What is our business?)
  2. 我々の顧客とは誰か?(Who is our customer?)
  3. 我々の顧客にとっての価値とは何か?(What is value to our customer?)

を問いかけるように言っている。
そして、自らの貢献の内容を選び出すには、

  1. 状況が求めているものは何か
  2. 自分の強みや価値に根差したものは何か
  3. そこから生まれる成果の意味は何か

という3つのファクターを考え合わせればよいと言っている。
これらの質問は、今回のまとめの「1.自分が何をどのレベルで求められているかを把握する」を知る際に役立つ質問だと思う。
これらの質問に答え、貢献する内容を決めた上で、貢献度を高めるために2〜7の内容を実践してより高い成果をあげていければと思う。

感想

仕事に活かせる部分について参考になったことや思いついたことをまとめたが、それ以外にも面白いところが結構あった。
特に、記憶術のところでは、簡単なのに超効率的な書きなぐり法、癒しの睡眠定着法、世界一位のハーバード生が教えるチラポイ法、大量に覚えるときに使えるリズム記憶法、似たもの大量暗記にはサンドイッチ法、win-win法、など沢山の実践してみたくなる方法が紹介されていた。
また、語呂合わせを作るときに重宝する「変換法」は、斬新なアイデアで面白かった。
本書を読んでいて、基本的な考え方が、遅延評価学習法と通じるところがある(勉強が苦手な人向けの「遅延評価勉強法」 : けんすう日記参照)とも感じた。
どれだけ楽に、どれだけ効率的にやるか、を追求した勉強法が満載なので、一読の価値はあると思う。



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